「弥生時代」の名前の由来は実は…
「弥生(やよい)」という時代の呼び名は、数ある日本の時代名のなかでも、とくに風情のある語感であると感じます。
この弥生(やよい)という呼称の由来ですが、実は旧暦の三月として使われている「弥生」とは関係ありません。
弥生時代の弥生とは、弥生土器が初めて発見された場所の地名にちなんでいます。
弥生土器が発見された場所
1884年、東京都文京区の弥生町の貝塚で、古代日本のものと思われる土器が見つかりました。発見当初は縄文土器と考えられていましたが、よく調べて見ると別時代のものと結論付けられました。
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弥生土器は縄文土器より明るい色合い、赤褐色、薄く堅いという性質を持っていました。縄文土器よりはるかに高性能なので、縄文時代より新しい時代の代物なのは明らかでした。
そしてこの土器が使われていた時代を、発見された地名にちなみ、「弥生時代」と呼ぶようになったのです。最初は、「弥生式の土器が使われた時代」ということで、「弥生式時代」と呼ばれていましたが、やがて「式」が省かれて、「弥生時代」と呼ばれるようになりました。