弥生時代の気候変動、日本人の生活にどう影響したか
渡来人により水田稲作がもたらされ、日本人はそれまでの狩猟・採集中心の生活をやめ、水田稲作を軸とした自給自足生活を始めました。弥生時代の始まりです。
気候変動が日本人の生活を変えた?
古代日本人が生活基盤を変えた理由の1つに気候変動が挙げられます。
- 寒冷化で自然の食料が少なくなくなり(大型の動物が減ったり絶滅しt)、自活する手段が必要になった。
- 海岸線が大幅に後退し、低湿地や平野が広がったことで、水田稲作の環境が整った。
上記のような環境変化が起こり、自然依存ゆえに常に食料を求めて各地を点々とする狩猟よりも、拠点を構え、広大な農地から大量の稲を収穫する水田稲作のほうが効率が良くなったのです。
寒冷化と水田稲作の普及
水田稲作の普及が加速したのは前4世紀頃で、これは渡来人の流入が加速したためといわれています。
そして渡来人の流入加速は、この時期の大陸の寒冷化と乾燥化にあるとみられています。ようは厳しい寒さで土地が痩せ、稲作の収穫量が激減したため、食料確保の為に南下を始めた、という説ですね。
弥生時代の気候の変遷
年代 | 気候 |
---|---|
前10世紀〜 | 短い周期で温暖期と冷涼期が交互に推移 |
前9世紀〜前8世紀 | 冷涼な気候で安定 |
前6世紀〜 | 温暖期に入る。水田稲作が北九州から西日本全体に伝播。 |
前4世紀〜 | 弥生時代最も寒冷といわれる厳しい時期に突入。 |
前3世紀〜前1世紀 | 弥生時代で最も温かいとされる気候。 |
前1世紀中頃〜 | 寒期と暖期を繰り返す不安定な気候となる。 |
2世紀末期〜 | 温暖期(卑弥呼が王位に立った時期) |
3世紀〜 | 古墳時代への過渡期であるこの時期に再び冷涼な気候に移った。 |
※表作成にあたり藤尾慎一郎氏著・弥生時代の歴史「弥生時代の環境」の項(p21~24)を参考にさせていただきました。