弥生時代のムラからクニの発生

弥生時代のムラからクニの発生

弥生時代のムラからクニの発生

縄文時代末期、気候変動により日本は寒冷期に入りました。すると自然に依存した狩猟・採集中心の生活スタイルは衰退し、自分で食料を生み出す水田稲作の需要がでてきます。

 

効率的・安定的な稲の収穫には人手が必要ですから、いわゆる集落(ムラ)と呼ばれる人々の集まりで暮らすようになります。水を運んできやすい平野、盆地、河川流域などに定住していました。

 

クニの発生

自然に依存することなく、自給自足で生計を立てる農耕社会を成立させた弥生人ですが、水田稲作による食糧供給が安定し人口が増えてくると、今ある農地では足りなくなってきました。当然農地や居住地を開発・拡大する必要性がでてきます。

 

しかしその過程で、ほかの集団と利害が衝突してしまいます。話し合いで問題が決着しない場合は、武力をもって他の集団を服従させるようになりました。勝ったムラは負けたムラを支配下に置き、さらに大きな集落群=クニとなりました。

 

集団と集団の相反する利害を調整するには高度な政治力が必要です。政治的組織化が進んだ集団ほど、外交、戦争、物流などあらゆることを有利に進めることができます。

 

ちなみに「ムラ」や「クニ」とカタカナ表記をするのは、現代の行政区分で用いる「村」や「国」とは概念上、厳密には異なるためです。

 

まとめ
  1. 水田稲作の効率化から人々が集団で暮らすようになる。(ムラの成立)
  2. 集団と集団の利害の衝突が起こる(戦争の発生)
  3. 乱立されたムラが統一されていき、集落の政治的組織化が進む。(クニの成立)
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