おにぎりの起源は弥生時代
おにぎりは日本の伝統食ですね。ご飯を握って具材を詰めて海苔を巻くだけという非常にシンプルな料理ですが、
- 炭水化物なので腹持ちが良い
- 足りない栄養価を具材でカバー
- 塩を振ることで殺菌効果を付加
- 保存性に優れるので出先で食べる携行食に最適
- 海苔をまくことで米が手につかない
- 海苔自体も栄養価に優れる
などなど栄養バランスと効率性を兼ね備えた完全無欠といっていい日本のソウルフードです。そんなおにぎりですが、起源は弥生時代にまでさかのぼるということはご存じでしょうか。
日本最古のおにぎりが弥生時代の遺跡から
おにぎりに関する最古の記述は、平安時代の源氏物語にありますが、昨今のおにぎりの原型とされている「米を三角にかためて食べる」料理は弥生時代から存在しました。
1987年石川県旧鹿西(ろくせい)町の「杉谷チャノバタケ遺跡」(弥生時代後期の高地性集落)から、炭化した米の固まりが出土しています。三角の形をしており、日本最古のおにぎりと考えられています。餅米を蒸してから焼いて作られたことがわかり、現在のちまきに似たものと推察されています。
ちなみにこの日本最古のおにぎりの正式名称は「チマキ状炭化米塊(たんかまいかい)」です。発見を記念して、鹿西の「ろく:6」と、毎月18日の「米食の日」から6月18日が「おにぎりの日」として制定されています。
三角なのはなぜ?
米の形が三角なのは、弥生社会の信仰が背景にあります。この時代は山が神格化されていました。その為おにぎりを山の神への供物とし、山の形を模して三角に成型していたと考えられています。
弥生時代後期の日本を記録した魏志倭人伝によれば、当時の倭人(日本人)は手食が一般的で、餅米を食べていました。もち米は手食の方が食べやすく、お椀にもって手でつかみまるめて食べていたと思われます。おにぎりを手づかみで食べる現代に残る習慣はこの時代の名残りかもしれませんね。