弥生時代の水田の特徴-湿田から乾田になった理由-

弥生時代の水田の特徴-湿田から乾田になった理由-

弥生時代の水田の特徴-湿田から乾田になった理由-

弥生時代の水田稲作、前期と後期の違いは何かにて、弥生時代前期から後期に起こった稲作手法の変化の1つに、湿田から乾田への変化を挙げました。

 

湿田とは、沼地のような1年中ジメジメした土地を利用した稲作のことです。それに対して乾田とは、水路をつくり川などから水を引いてくること(灌漑)で、乾燥した土地を湿地に変えて行なわれる稲作のことです。

 

湿田から乾田へ変わった理由

湿田は、すでにある低湿地を農地に流用すれば済むので、水路など灌漑設備を作る必要がなく、手っ取り早く低コストに稲作を開始できるというメリットがあります。なので稲作が伝わって間もない前期は、簡単に始めることができる湿田が採用されていたのです。

 

しかし湿田に適した土地(年中水が抜けない土地)は限られている点が最大のネックで、弥生社会で人口が増えてくると、すでにある湿田では足りなくなってきたのです。その為より広い農地を確保するために、低湿地にしばられない乾田が普及していったというわけです。

 

乾田のメリット

湿田の低コストは確かに魅力なのですが、年中水がたまっており排水ができないというデメリットがあります。新しい空気が入らないため稲が生長しにくくなるという弊害があるのです。

 

一方、乾田は人口的に灌漑(かんがい)と排水をすることが可能です。新鮮な空気を取り込むことで、土壌の栄養分が豊富になり活性化するのです。その結果稲の生育がよくなり、生産性が向上するというわけです。

 

排水の時期

一般的には、田植えを春頃に行ない、夏になると排水して土に新鮮な空気を取り込みます。そして秋の収穫時期が近くなると再び水をぬき、稲穂が黄色くなったら収穫するのです。

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