弥生時代の土器の特徴-縄文土器との違い-

弥生時代の土器の特徴-縄文土器との違い-

弥生時代の土器の特徴-縄文土器との違い-

1884年東京弥生町の貝塚から、古代日本の壺が出土しました。初めは縄文土器と考えられていましたが、調査の結果、縄文土器と異なる特徴を持つ新しい時代に作られたものだとわかりました。この土器を発見された地名にちなみ弥生土器と呼ぶようになりました。ここでは弥生土器の特徴を紹介したいと思います。

 

弥生土器の作り方

土を練って器の形に成型し、それを焼き固めて作るという点では縄文土器と変わりませんが、弥生土器の場合は主に、輪状に練った土を積み上げていく「輪積法(わづみほう)」が採用されています。また強度向上のために、つなぎとして砂を混入させていました。

 

弥生土器のデザイン

複雑な装飾が施されている縄文土器と比べて、弥生土器は形状や紋様がシンプルなものが多いです。土器表面の紋様には縄目(なわめ)、刻(きざみ)目、くしがき紋様などがあります。
色は縄文土器より明るく赤褐色。この色の違いは、焼く時の温度や粘土の質の差によるものです。

 

弥生土器の質感

弥生土器は縄文土器より「薄く堅く」実用に適しています。これは弥生土器は、縄文土器より高温でつくられ、つなぎとして土を混入させるなどの工夫がなされていた為です。

 

弥生土器の焼き方

縄文土器は土器を露出させたき火のようにして焼く「野(素)焼き」で作られます。対して、弥生時代は土をドーム状に被せる、もしくは稲や藁を被せ、土器を露出させず高温で焼く手法がとられています。野焼きより高温かつ焼成温度が一定に保たれるので、良質な仕上がりとなります。

 

弥生土器の種類と使用目的

宗教的色彩が強かった縄文土器と比べ、弥生土器は主に貯蔵や料理など実用目的に使われました。土器は使用目的によって違う形をしています。以下に土器の種類とそれぞれの使用目的をまとめます。。

 

弥生土器の種類
  • 壺…首が細くて長い土器。収穫物の貯蔵に使われた。
  • 甕(かめ)…口が大きく開いた深い土器。煮炊きに使われた
  • 高坏(たかつき)・鉢(はち)…口が大きく浅い土器。食べ物を盛り付ける食器として使われた。
  • 甑(こしき)…蒸し器として使われた。
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