弥生人の平均寿命は?
弥生時代の日本人の平均寿命は、出土した人骨の調査から30歳前後だったことがわかっています。現代日本人の平均寿命(80歳前後)からするとかなり短いですよね。
これは幼児期の死亡率の高さが平均寿命を押し下げているためです。今のように医療も衛生環境も充実していない時代、幼い子供は特に事故や病気で亡くなりやすいのです。この時代の幼児期の死亡率は50%を超していたともいわれています。
現在は女性のほうが長生きですが、古代ではお産により早々に亡くなってしまう女性が多かったことも、平均寿命の低さの要因の1つです。
21世紀の現代でも、衛生状態や医療事情の問題を抱える国は世界中たくさんあります。そういった国では幼児死亡率が非常に高く、平均寿命が30〜40歳ということは珍しくありません。
長生きの人も多かった
ただし、幼少期を生き抜いて大人になった人は皆長生きだったようです。というのも魏志倭人伝には以下の記述があります。
其人壽考、或百年、或八九十年。(人は長命であり、百歳や九十、八十歳の者もいる。)
日本人の長寿は食生活によるところが大きいといわれていますが、今の日本人の食生活のベースが弥生時代に形成されたことを考えると、弥生人が長生きなのはある意味当然ともいえますよね。
日本の平均寿命が延びたのは?
時代が下っても、室町時代あたりまでは、弥生時代とそう変わらず、平均寿命は30歳程度でした。
急激に寿命が伸びたのは江戸時代からで、江戸時代中期には40歳を超えました。昭和期には50歳を超え、「人生50年」と言われるように。
そして戦後の経済成長にともなう衛生環境の改善や医療発達で平均寿命は急激に伸び、21世紀の現在、日本は平均寿命ランキングで世界1位となるレベルになっています。