弥生時代の身分制度-奴隷も存在-
弥生時代は農耕社会。稲作の知識を持つものが権力を握り、収穫物の取り扱い、祭祀、戦争などあらゆることを統括しました。そして支配する者とされる者という身分の差が顕在化するようになります。
弥生時代の終わり頃の様子が書かれた『魏志倭人伝』によれば、倭国の邪馬台国には、王(おう)・大人(たいじん)・下戸(げこ)・生口(せいこう)という身分階級があったとされます。
弥生時代の身分制度
王
クニの最高権力者。弥生時代の王としては女王・卑弥呼が有名。
大人(たいじん)
行政の官や副官のこと。クニの支配として行政的な運営を担っていた。
下戸(げこ)
一般的な身分。主に農業労働に従事した。下戸は大人に道であったら草むらに退き、対話の際にはうずくまったり、ひざまずいたりして、相手への恭順を示したという。
生口(せいこう)
最下層の階級。いわゆる戦争奴隷の人々で、物として扱われ、時に交易品にもなった。
その人物がどのような身分にいたかは、墓を見ればわかります。高い地位にいた人物の墓には豪華な副葬品とともに葬られ、高い身分の者ほどクニの中心に近い場所に埋葬されています。
関連記事:弥生時代のお墓(埋葬方法)の特徴