弥生時代の水田稲作、前期と後期の違いは何か
水田稲作の大まかな流れは、水田をつくる⇒稲を育てる⇒収穫する⇒脱穀する⇒貯蔵する⇒炊いて食べる…というもので、基本的にこの流れは古今通じて変わりません。
しかし弥生時代に、細かい手法や農具の刷新が起こり、それが現代で行なわれる水田稲作の手法にも通じています。なので具体的にどのような変化が起こったののかをしっかり抑えておく必要があります。
前期の稲作の特徴
- 水田の種類:湿田(低湿地を利用した稲作)
- 農具:木製の農具を使用
(例:木鋤(きのすき)/木鍬(きのくわ)/田下駄(沈下防止)/えぶり(田ならし)/大足(肥料踏み込み)
- 稲の育て方:籾を直播き。田にぱらぱら播く
- 収穫:石包丁(磨製石器)で穂首刈り。
- 畔:土を盛って突き固めただけの簡易なもの。
後期の稲作の特徴
- 水田の種類:乾田(灌漑により水をひいてきた乾燥地を利用した稲作)
- 農具:刃の部分が鉄製の農具を使用
- 稲の育て方:苗を育ててから田植え。一本一本植える方法。
- 収穫:鉄鎌で根刈り。
- 畔:盛り土を矢板や杭でさらに補強していた。
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全期通した稲作の特徴
脱穀
出来上がった稲から食べられる米の部分を取り出す作業(脱穀)は以下の木製道具が使われていた。
・木臼
・竪杵(たてぎね)
貯蔵
収穫物は以下の貯蔵設備に保管していた。
・貯蔵穴
・高床倉庫
その他
- 弥生時代の米作りは、現代の機械化された米作りと全く異なる。
- 現代の田んぼより収穫量はずっと低い。
- 水田は一辺4メートルほどで区画された小さなもの
- 品種はジャポニカ種と考えられている。
- 肥料は使わない。
- 収穫時期は秋の10月頃。