弥生時代の集落の特徴と種類

弥生時代の集落の特徴と種類

弥生時代の集落(ムラ)の特徴と種類

弥生時代に水田稲作が伝わり、人々は効率的な稲の収穫の為に集まって暮らすようになりました。水田稲作を軸に形成されたこの政治的共同体を、一般に「集落(ムラ)」と呼んでいます。

 

集落を構成していたのは、人々の住居となるいく棟もの住居です。弥生時代の住居の特徴は弥生時代の住居の特徴で詳しく解説しています。

 

集落の種類と特徴

集落は、平地につくられる環濠(かんごう)集落と、山や丘陵の斜面など高い場所に作られる高地性(こうちせい)集落があります。いずれも外敵の侵入を意識したつくりになっていることが重要です。この時代集落同士の争いが起きていた証拠だからです。

 

環濠集落

防波堤となる溝(2m以上の深さ)で周りを囲んだムラです。弥生社会で縄張り意識が強化され、「領域」「境界」という観念が醸成されたことを示しています。

 

環濠集落の例:吉野ヶ里遺跡(佐賀)、唐古・鍵遺跡(奈良)

 

高地性集落

外敵に対処しやすい見晴らしの良い山頂・丘など高いところにあるムラです。魏志倭人伝によれば、倭国大乱の頃に高地性集落が増加したようです。

 

高地性集落の例:紫雲出山(しうでやま)遺跡(香川)

 

境の存在が生んだ信仰

集落の成立にともなう「境」の概念の強まりにより、「境」の向こう側を非日常空間=神の領域とする考え方が生まれました。そして境にあたる場所には、「生死の境を往き来できる存在」として鳥の依り代(鳥形木製品)が置かれたりしていました。(弥生時代の宗教も参照)
例えば神社のシンボルとして入り口に構える鳥居は、人間の俗世界と神の領域を区画する意味がありますが、その起源を、上述した弥生時代の集落成立および鳥類信仰に求める説もあります。

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